紹介予定派遣とは、直接雇用への切り替えを前提に最長で6ヵ月間、人材を派遣するサービスです。令和3年度から4年度にかけて、紹介予定派遣を通じて直接雇用された人は、約18%も増えていて、全国的にも活用が進んでいます。(厚生労働省資料 労働者派遣事業報告書の集計結果 p11表9p)
あまり耳馴染みのない言葉かもしれませんが、中途採用した社員が「早期退職してしまった」「いざ業務を開始したら、想定していたスキルと違っていた」といった採用リスクの解消に、すごくおすすめのサービスです。
特に以下のような場面で活用されています。
・ミスマッチなく、長く働いてくれる社員を採用したい
・業務知識が豊富でスキルの高い社員を採用したい
・採用コストを節約したい
紹介予定派遣について、テンプスタッフフォーラムPR大使の石那田 睦 (いしなだ ちか)が動画とレポートにまとめてみました!
以下の動画では、約3分で紹介予定派遣についてご紹介しています。ざっくり概要を知りたい方はまず、動画をご覧ください!
そしてここからはレポートとして、紹介予定派遣の活用例、紹介予定派遣と人材派遣の違い、選ばれている理由などについて、わかりやすく解説します!
PR大使の石那田 睦 (いしなだ ちか)です! 今回は、イメージしやすいように実際の活用シーンからお伝えしますね! |
実際の紹介予定派遣活用シーンは?!
紹介予定派遣が「直接雇用への切り替え前提で最長で6ヵ月間、人材を派遣するサービス」って聞いても、どんなシーンで活用できるのかイメージが湧きにくいですよね?
そこでPR大使のちかちゃんが、テンプスタッフフォーラムの中の人に突撃インタビューしてきました。まず、紹介予定派遣の実際の活用シーンからご紹介します!
どんな事例があったか、テンプさん教えてください! |
[ケース1] 中途採用社員の定着率の課題を解決した事例
どんな場面で紹介予定派遣をご提案されたのですか? | |
「中途で採用した社員が定着せず困っている」というご相談を受け、紹介予定派遣をご提案しました! | |
何が課題だったのでしょうか? | |
採用しても数ヶ月から1年で離職するという状況が何人か続いて、採用と教育にかかる手間と費用がかさみ、困っている状況でした。 | |
紹介予定派遣をどのように活用されたのですか? | |
紹介予定派遣では最長6ヵ月の派遣契約が可能です。 派遣期間(見極め期間)があることで、働く人側と企業側のお互いが納得した上で、正社員採用となりました。 |
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採用につながったこと以外にも、他にどんなメリットがありましたか? | |
紹介予定派遣は定着率が高いので、結果的に採用コストを抑えられています。 派遣期間の数ヶ月でスキルや周りの人との関係性も見極められるので、企業様にも大変喜ばれました。 |
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紹介予定派遣を活用した企業様からのお声が、ほかにもあれば教えてください。 | |
具体的に以下のようなお声をいただいています。 |
■紹介予定派遣を活用した企業様からの声
- 採用後の離職率が低い(5年、10年勤続の方も少なくない)
- 派遣期間を長めに設定することで、お互いに納得した状態で正規雇用できる
- 正社員雇用をして、定着しなかった場合のリスクを抑えられる
- 派遣スタッフさんの人柄や業務とのマッチ具合も直接雇用前に確かめられる
- 紹介予定派遣には費用がかかる(※)が、定着率が低い場合は採用コストの方が高いため、結果的に費用を抑えられる
[ケース2] 実質の試用期間でスキルのミスマッチを減らせた事例
他にはどんな事例がありますか? | |
自社採用で「スキルの高い人材を採用したはずが、期待していたレベルより低かった」という企業様に、紹介予定派遣での採用をご提案しました! | |
なぜ紹介予定派遣をご提案されたのですか? | |
2つ理由があります。 | |
1つは、紹介予定派遣を希望する方は、一般的な派遣スタッフよりもスキルのレベルが高い傾向があることです。 | |
もう1つは、派遣前に行う面接や試験だけでなく、最長6ヵ月の派遣期間(見極め期間)があることです。 実際に業務を任せてみることで、求めているスキルがあるのか、確かめることができます。 |
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契約期間は最長6ヵ月とされていますが、契約は6ヶ月で結ぶのですか? | |
6ヵ月契約の場合もありますが、3ヶ月x2回、2ヶ月x3回などが多いですね。 | |
どうして短い期間に分けるのでしょうか? | |
最初から6ヵ月で契約してしまうと、想定していたスキルとマッチしない場合でも派遣を継続する必要があり、企業様の不利益になってしまいます。 派遣スタッフが合意の上であれば途中での契約解除は可能ですが、現実的には難しいので短くするのが一般的です。 |
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ミスマッチを減らすために紹介予定派遣を活用したことでどんな効果がありましたか? | |
採用する前に一緒に働いてコミュニケーションをとることで、スキルだけでなく人柄もわかります。そのため、企業様から「この人と一緒に仕事をし続けたいから雇用する」と言われることもあります。 私たちも「紹介して良かったな」と嬉しくなります。 |
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紹介予定派遣はどのような業務で依頼されることが多いのでしょうか? | |
経理事務(簿記資格+経験)、総務事務、営業事務、調剤事務などで活用されています。 また、ノウハウの蓄積が必要な営業職などのご依頼も多く、一般派遣よりも少しスキルが高い人材を求められる場合が多いです。 |
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他にはどんなメリットがありますか? | |
派遣からそのまま雇用契約に進む確率が高いのもメリットですね。 テンプスタッフフォーラムの場合、派遣期間終了後も9割ぐらいの方が、そのままお仕事を継続されています。派遣スタッフの中には、正社員を目指している人も多いんですよ。 |
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紹介予定派遣の活用シーンがよくわかりました。ご回答ありがとうございました! |
紹介予定派遣と人材派遣・人材紹介との違いって?
紹介予定派遣について、なんとなくイメージはできましたでしょうか?
紹介予定派遣を検討する際に比較されるのは、人材派遣、人材紹介サービスです。ここでは、2つのサービスとの違いについて見ていきましょう。
自社にはどのサービスが合っているのかを見極めましょう!! |
人材派遣との比較
紹介予定派遣と人材派遣は、以下のような違いがあります。
比較項目 | 紹介予定派遣 | 人材派遣 |
就労期間 | 最長6ヵ月 | 最長3年 |
事前の書類審査 | できる | できない |
面接・試験の実施 | できる | できない |
コスト | 派遣期間…派遣料金 採用決定時…紹介手数料 |
派遣料金 |
給与支払・社会保険 | 派遣期間…派遣会社 直接雇用後…就業先企業 |
派遣会社 |
人材派遣との違い
人材派遣と紹介予定派遣はサービスそのものが違います。人材派遣は一定の期間、必要な人材の確保を目的とした派遣契約で、雇用を視野に入れていません。一方で紹介予定派遣は、企業の直接雇用を前提とした派遣契約で、最長6ヵ月の派遣期間が雇用を決定するための期間となります。
人材派遣と比較した場合のメリット・デメリットをまとめました! |
メリット
- 派遣前に書類選考や面接・試験を実施できる
- 派遣でマッチした人材をそのまま雇用できる
- 最長6ヵ月の派遣期間が実質的な試用期間となる
デメリット
- 派遣期間は契約書に記載されていない業務は依頼できない
- 直接雇用を辞退されることがある
- 採用を決定したら紹介手数料がかかる
人材紹介との比較
紹介予定派遣と人材紹介には、以下のような違いがあります。
比較項目 | 紹介予定派遣 | 人材紹介 |
派遣期間 | 最長6ヵ月 | なし(直接雇用) |
事前の書類審査 | できる | できる |
面接・試験の実施 | できる | できる |
コスト | 派遣期間…派遣料金 採用決定時…紹介手数料※ |
採用決定時…紹介手数料※ |
給与支払・社会保険 | 派遣期間…派遣会社 直接雇用後…就業先企業 |
就業先企業 |
返金制度※※ | なし | あり |
※紹介手数料の相場… 初年度想定年収の35%
※※返金制度…採用した人が自己都合で退職した場合
人材紹介との違いは?
人材紹介も紹介予定派遣と同じ採用支援サービスですが、人材紹介での採用は書類選考や面接、試験で行われます。紹介予定派遣のように事前に業務を依頼することはできず、雇用する人材のスキルやコミュニケーション力などの見極めや、企業との相性の確認まではできません。
紹介予定派遣と人材紹介の大きな違いは試用期間ですね!他のメリット・デメリットも、以下にまとめてみました! |
メリット
- 最長6ヵ月の派遣期間が実質的な試用期間となる
- 派遣時と同じ業務で社員として活躍してもらえる
- 企業側、派遣スタッフ側ともにミスマッチを回避できる
デメリット
- 業界や職種によっては紹介予定派遣ができない場合がある
- 派遣料金が必要
- 返金制度の対象外
中途採用(自社採用)と比較すると?
紹介予定派遣は、最長6ヵ月の就業後に正社員または派遣社員として登用されるという性質から、中途採用ともよく比較されます。
比較項目 | 紹介予定派遣 | 中途採用(自社採用) |
試用期間(≒派遣期間) | 最長6ヵ月 | 企業の規定による |
事前の書類審査 | できる | できる |
面接・試験の実施 | できる | できる |
コスト | 派遣期間…派遣料金 採用決定時…紹介手数料※ |
採用活動にかかる費用 |
給与支払・社会保険 | 派遣期間…派遣会社 直接雇用後…就業先企業 |
就業先企業 |
自社採用と比較したメリット・デメリットには以下の項目があげられます! |
メリット
- 応募獲得のための採用ページや求人広告媒体の準備が不要
- 求める要件や人物像をもとに派遣会社が人材を選定してくれる
- 最長6ヵ月の派遣期間が実質的な試用期間となる
- 派遣時と同じ業務で社員として活躍してもらえる
- 企業側、派遣スタッフ側ともにミスマッチを回避できる
デメリット
- 業界や職種によっては紹介予定派遣ができない場合がある
- 派遣料金と紹介手数料が必要
紹介予定派遣の場合は派遣会社が採用活動を行うため、採用活動に対するコストはかかりません。必要なコストは派遣料金と採用が決定した際の紹介手数料です。
リクルート就職みらい研究所(就職白書2020 p11)によると、中途採用の場合、2019年度の一人あたりに対する平均採用コストは、103.3万円です。
採用した社員が定着しない場合は複数回の採用活動が必要となるため、紹介予定派遣を活用することで大幅にコストを削減できます。
紹介予定派遣って活用されてるの?
ここでは、紹介予定派遣の活用状況と、テンプスタッフフォーラムの複数あるサービスの中から企業様が紹介予定派遣を「選ばれている理由」について、ご紹介します。
実際にどのくらい活用されているのか気になりますね! |
紹介予定派遣を活用される方は増えています
テンプスタッフフォーラム担当者によると、紹介予定派遣は体感的に増えており、厚生労働省の統計でも、増加傾向にあることがわかります。
■紹介予定派遣の状況(厚生労働省資料p11表9pより抜粋) (単位:人、%)
令和3年度 | 令和4年度 | 増減比 | |
紹介予定派遣実施事業所数 | 2,233 | 2,272 | 1.7 |
紹介予定派遣により派遣された労働者数 | 22,251 | 26,313 | 18.3 |
紹介予定派遣で直接雇用に結びついた労働者数 | 12,630 | 14,865 | 17.7 |
紹介予定派遣が選ばれている理由は?
紹介予定派遣は、このような理由で選ばれています! |
直接雇用のリスクを軽減できる!
- 採用した場合、求める人材でなかったとしても継続せざるを得ない
- 必要なスキルを持ち合わせていない場合は教育する必要がある
- 求める人材を採用活動だけで見極めるのは難しい
紹介予定派遣は求める人材に出会えるチャンス!
- 良い人材であれば、3ヶ月で雇用したいという場合も
- 派遣会社の定期的なサポートがあるため安心感がある(企業&派遣スタッフ)
会社の良さを知ってもらいたい!
- HPや採用サイトだけではなかなか会社の良さが伝わらない
- パンフレットや採用活動だけでは限界がある
- 社風や社内の雰囲気に合う人材を選定するのが難しい
このようなお悩みを解決できるのが、最長6ヵ月の派遣期間、つまり、お試し期間がある「紹介予定派遣」ということですね! |
紹介予定派遣の全体像って?
紹介予定派遣サービスを図にすると以下のとおりです。 |
紹介予定派遣のしくみと全体像をご紹介します! |
紹介予定派遣のしくみと企業の関係性は?
ここで改めて、紹介予定派遣のしくみと、企業・派遣スタッフ・派遣会社の関係性について整理しておきましょう。
三者の関係性【派遣期間】
三者の関係性【採用決定後】
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紹介予定派遣は、人材派遣サービスのひとつですが、企業が派遣スタッフをそのまま雇用できるように仕組み化されているのが特徴です。
採用が決まると、雇用契約が派遣会社から就業先企業に移るというイメージを持っていただくとわかりやすいですね! |
紹介予定派遣ご利用の流れを紹介します!
実際に紹介予定派遣を利用する場合の流れをご紹介します。
ヒアリングから採用まで、紹介予定派遣の流れはざっくり5ステップです! |
ステップ1:ヒアリング
テンプスタッフフォーラムの営業担当が、企業様の求める業務内容や就業条件について詳しくお話を伺います。
紹介予定派遣の場合、直接雇用を前提としているため、「募集要件」と「労働条件」を提示する必要があります。
ステップ2:人材選定(書類選考・面接の実施)
登録スタッフの中から、ご依頼内容に適した人材を選定します。就業先企業による書類選考や面接を実施します。筆記試験や適性試験を行う場合もあります。
ステップ3:契約締結後、派遣開始
選考に通過したら「労働者派遣基本契約」を締結し、派遣開始となります。
派遣スタッフは最長6ヵ月間、企業様の指揮命令に基づいて業務を行います。企業側・派遣スタッフともにマッチ具合を見極められる、実質的な試用期間といえます。
ステップ4:定期的なフォロー
テンプスタッフフォーラムの営業担当が定期的に企業様へ訪問するなど、派遣スタッフの就業状況を確認し、安定的な就業をサポートします。
ステップ5:双方の合意後、採用
最長6ヵ月の派遣期間中、または派遣契約の終了時に企業様と派遣スタッフの合意が得られたら、正式な採用となります。
ココが気になる?紹介予定派遣の懸念点にお答えします!
紹介予定派遣について理解できても、「ここはどうなの?」という懸念点があるのではないでしょうか?
企業様が気になるポイントについて、再度テンプスタッフフォーラムの中の人に答えてもらいました!
まだ気がかりな点もあるので、テンプさん教えてください! |
紹介料は高くないの?
紹介手数料が高いというお声もありますが、実際のところはどうですか? |
紹介手数料は想定年収の35%※なので安くはありません。 しかし、自社採用の場合は「求人広告で募集→書類選考→試験・面接→研修」など、採用広告コストや人的リソースがかかっています。 早期離職の場合には二重、三重の費用がかかるため、1回の紹介手数料の方がコスト削減になります。 |
※年収300万円の場合:105万円
採用を判断するタイミングは?
採用を判断するのは、どんなタイミングでしょうか? |
派遣就業前に面接や筆記試験を実施できるため、ある程度の見極めができますし、企業様によっては派遣期間満了前に経営層との面接を入れる場合もあります。 また、派遣スタッフとの合意があれば、派遣期間満了前(開始から3ヵ月など)でも採用が可能です。 |
必ず採用しなければいけないの?
紹介予定派遣の場合は必ず採用しなければいけないのでしょうか? |
いいえ、必ず採用しなければならないということはありません。 |
派遣スタッフから断られることはあるの?
派遣スタッフの方から、採用を断られることはあるのですか?あるとすれば、どんな理由からですか? |
そうですね。1~2割程度ですが、スタッフから断られる場合もあります。 仕事内容や環境が想定していたイメージと違っていたというケースはありました。 |
まとめ:紹介予定派遣を活用するためのポイント
今回は、紹介予定派遣のしくみや他のサービスとの違い、メリット・デメリットまで、実際の活用例をもとにご紹介しました。
紹介予定派遣を活用するためのポイントを最後にまとめます! |
紹介予定派遣をうまく活用するポイント
- 紹介予定派遣のしくみを知る
- 自社の採用課題に当てはまるかを検討する
- 紹介予定派遣のメリット・デメリットを把握する
- 紹介予定派遣の懸念点をクリアする
- 求める要件や人物像を具体的にし、書類選考や面接の準備をしておく
紹介予定派遣をうまく活用して、採用コストや早期退職の課題を解消してくださいね!! |